ナヴァロ・ヴィンヤーズ
冷涼さと豊かな陽光の元で育つ果実の自然な風味を大切にしたスタイル
カリフォルニアの最北に位置するメンドシーノには内陸から冷たい寒流が流れる太平洋に向け北西に一本の谷が走っている。アンダーソン・ヴァレーと名付けられたこの谷に沿い海
に向かってドライブすると、地中海性気候特有のやや乾いた風景から寒々とした森林へ、窓に映る風景が徐々に変化してゆく。このエリアは長年「寒すぎる」とされ一部を除き高品
質なワイン産地として認識されてこなかったが、著名シャンパンメゾンの進出等によりその名は広くワイン愛好家に知られるところとなり現在ではエレガントなピノ・ノワールやシ
ャルドネの銘醸地としてもよく知られている。
テッド・ベネット、デボラ・カーン夫妻は1974年よりアルザス系品種のワインを造り始めた。この谷はソノマなどと同様海に近づ
くほど冷たい海風と霧の影響を強く受けるため、"アンダーソン・ヴァレー"という地名はひとつのワインのキャラクターを表す言葉ではない。このワイナリーがある辺りは海に近く
、非常に冷涼な気候を持つため寒冷地の品種に向いている。カリフォルニアの"最果ての地"で造るゲヴェルツトラミネールやリースリング、ミュスカといったブドウ品種は欧州の原
産国とはまた違った個性を放つ。また繊細なスタイルのシャルドネ&ピノ・ノワールも造られ、米国内で絶大な人気を誇る。生産数が少ないこともあり、これらのワインは輸出に振
り向ける余裕があまりなく、残念ながら現在のところ限定輸入となっている。
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